現在はそこにはないようですが、食べられる砂=飯砂(いいずな)が山頂付近に存在した事がいいずなやまの語源という説がもっともらしいようです。
それは、天狗の麦飯と言われたそうですが、いいずなやま以外でも産出されています。
いいずなやまでは修験道の修験者が竹筒の中に「管狐(くだぎつね)」と称する小さな動物(恐らくコエゾイタチ)を入れて持ち歩き、妖術という術に用いたとされています。
「竹筒の中に入るイタチなど存在するはずはない」と思うかも知れませんが、現代でも本当に管の中にイタチのような動物が入っている映像もあります。
いいずなやまが語源となりその動物もイイズナ又はイズナと呼ばれ、その術に取り憑かれる事を「イズナにつかれた」「イズナつき」などと言ったらしいです。
松本方面でも「イズナつきに憑かれないように気をつけろ」などと大人が子供に言って聞かせたそうです。
それは長野県外にも広く伝わっていたようです。
呼び方は、イイズナがイズナに変わったのかも知れません。
「キツネつき」もありますが、「管狐(くだぎつね)」つまりイイズナ=コエゾイタチから来ているのかも知れません。
「管狐(くだぎつね)」を知らずに普通の狐と勘違いしたまま後世に伝わっているとも推測できそうです。
日本でイイズナ又はイズナとも呼ばれるコエゾイタチは、東北、北海道、ロシアに現在も生息しているそうです。
尚、山の名前は漢字では飯縄山、飯綱山と表記しますが、長野県に3ヶ所あります。
天狗の麦飯は植物のようですが、実は世界中に食べられる土は存在し、販売もされています。